考え事など

連珠七段。特に記事内容は特に連珠には限定しません。いろいろ考えたことについて書きます。

詰め連珠の不思議ルールー四追いを一手として数えるのはなぜか?ー

四追いを一手って意味がわからんけど

そろそろ連珠以外のことを書こうと思っていたが、ちょうど書きたいと思っていたのでこちらを優先することにしよう。

詰め連珠にはある不思議なルールが存在する。それは、四追いを一手として数えるというものだ。なんなのかそれは?ともかく例を出そう。

 

黒先、四追い勝ちだ。

 

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この問題では答えのほうが大事なので早速答えを載せる。

 

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答えは●13にて棒四である。

 

さて、これは何手詰めであろうか?普通の感覚で言えば13手詰めに決まっている。ただこれは棒四までの形を全て四で打っている。全て四で打っているため、四追いと一括りにしてしまってこれを一手として扱おう(四を伸びた回数により6回の四追いと呼ばれる。)というのが詰め連珠のルールとして存在するわけだ。

 

詰め連珠におけるより強い受けとは粘る余地を作ること

どうしてこんなルールがあるのか?これには解答者の都合と言うより出題者、ひいては採点者の都合という(言っていいのかはわからないが、私はそう認識している。)問題がある。「詰め連珠における最強防とは何か?」というものだ。

言うまでもなくこうした問題において、受ける側は「最善」の手順で受けるものとされている。この「最善」とはどういうことか?詰め連珠のルール上では「四追いを遅らせる受けが最善」ということになっている。

これは連珠の性質を見れば自然なことで、四は絶対的に止めるしかないが、三やミセ手、フクミ手で詰ましに行った場合、相手に四の連続で粘るという手段がある。粘りの余地のない攻撃手段をなるべく遅らせることがより善いという考え方である。

 

最長手順VS最遅手順

多くのゲームにおいて詰みまでの手数が長いことが強い受けの要件とされる。これは最長手順が最強手順であるという考え方である。これに対し、詰め連珠では詰みまでのスピードを遅らせることがより強い、いうなれば最遅手順が最強手順であるという考え方を取っている。一見なにも問題がないように思えるが、この二つの考え方はしばしば対立する。例を出そう。黒先の追い詰め問題だ。

 

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こちらも早速答えを書いていく。

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●5まで四三勝ち。

詰め連珠としての解答はこうなる。お分かりであろうか?これは最遅手順であって、最長手順ではない。最長手順は以下の図になる。

 

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●11にて棒四勝ち

これが最長手順である。これは黒3から四追いが始まっているのに対し、最遅手順では黒5から四追いが始まっている。これが最遅と呼ぶ所以だ。こうした対立を解消するため、「四追いは一手として数える」というルールが考案されたと思われる。本当のところは分からないが・・・。

どうにか簡単にならないの?

この問題を根本から解決する妙案は出ていない。というより、現状問題として認識されているかが謎だ。私自身、Twitterで詰め連珠を出題するようになってからこの不便にぶちあたったというのが実情だ。

現状私のTwitter出題では

・上級詰め連珠=最遅手順

・その他=最長手順

を正解としている。使い分けということだ。

ただしこれから連珠を世に普及することを考えると、使い分けは分かりにくいような気がする。何か良いアイデアがあれば教えてほしい・・・。